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この海は海岸線近くまで、高い山が迫り、山々に多く降る雨のお陰で栄養分を含んだ土が沢山流れ込んでいるお陰で、史上稀な程の生命の楽園を海岸線近くに出現させていた。只、この浅瀬の豊穣の海は広くは無かった。 巾1~2㎞程でその先の海は一気に3000mを越える深海へと繋がる崖に縁取られた、狭い楽園だった。 此処に棲息する生命体にはまだ脊椎を持つ者も無く唯一ピカイアにだけに脊椎の基となる脊索らしきものの発生の兆候を見せていた。 殆どの生命体は無脊椎動物に分類される、よく言われる原始的生命体と言われ、意識は本能のみでコミュニケーションなど無い、単純に食物連鎖の環が絶対の神の如く存在する世界だった。 そのような世界で異常な生命体が突然現われた。しかもその生命体は空高い所から舞い降りて、どう言う訳か、海面上にフワリとしか表現出来ない状態で舞い降りた。しかしながら、その生命体は下面から巨大に輝く白っぽい光と煙を吐き出しながら現れた。
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