◆prolog

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 深い深い森の奥の  名も知れぬ小さな村。  村には一人の娘がいました。  娘は優しい瞳と笑顔で人々を魅了し、娘もまた、自分に笑いかけてくれる村人達を慕いました。  娘には恋人がいました。  森の向こうの国の貴族の男性です。  娘は毎日のように彼にあえて幸せだと零します。  けれども、村人達は貴族の男性をあまりよく思っていませんでした。  この村では、森の向こうの人間を嫌っていたからです。  そしてある日、娘は突然、村から居なくなりました。  村人達は色々な所を探しました。  何日も何日も捜しましたが、村人達は疲れ切ってしまい、捜すのをやめてしまいました。  それから長い時間が過ぎ、娘を知る者は誰一人と居なくなってしまい、忘れ去られてしまいました。 ―幻の村 著者 マリア・ヴァルツ―
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