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始まりの鐘が鳴る
「我こそは新撰組一番隊隊長、沖田総司!御用改めである、神妙にお縄につけ!」
ほう、と、どこからか感嘆の溜め息が零れた。
わたし自身が違和感が拭えないのは仕方ない。
わたしのイメージする沖田総司は、この台本に映されたそれとは違うのだという事実がそこにある。
沖田総司は、新撰組で一番剣の腕が強かったのだそうだ。
新撰組なんて、知っているのは名前だけで、一切の興味はなかったけれど。
「新撰組…沖田総司、か」
既に牽かれ始めているそれに、薄く笑うのはただ、ひとり。
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