53人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、どうぞ」
綺麗な顔には少しシブい、日本茶をテーブルに置く。
ありがとうございますと日本茶を手に取り、ふぅっと冷ましながら一口含む。
「なんかここ、落ち着きますね」
お茶の温かさと香りにすっかり癒され、背凭れに凭れる。
「日も当たるし、ここでゆっくりお茶飲むの好きなんだ。 吉沢さんにもわかってもらえて嬉しいよ」
…さっきも感じた小さな違和感。
「そうだ…名前っ。私たちのクラス受け持ったことないのになんで知ってるんですか?」
ふふっと微笑みながら圭の向かいに座る。
お茶を飲みながら、
「そうだね。 今まで服飾科とは一度も接点はなかったよ。 でも、今年から君のクラスの担当になったんだ」
「そうだったんだ-! それでみんなの名前覚えたんですか?」
「まぁ、そんなところ。 早くみんなのこと知りたかったし、オレのことも知ってほしかったからね」
.
最初のコメントを投稿しよう!