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人だかりが注目する校舎の壁には、新しい各ｸﾗｽの名簿が貼り出されていた。
「ｸﾗｽ替えとか…懐かしい。」
県立高校の服飾科に通う吉沢圭は、この楽しい行事には無関係。
この高校には、普通科と服飾科の二つがある。
普通科には8ｸﾗｽもあるのだが、服飾科は各学年に1ｸﾗｽだけしかない。
必然的に3年間同じｸﾗｽというわけである。
「ｱﾀｼもﾄﾞｷﾄﾞｷしたい-」
「何ﾌﾞﾂﾌﾞﾂしゃべってんの?」
突然後ろから声をかけられた。
「何にﾄﾞｷﾄﾞｷしたいの?男にか?」
ﾌﾌっと笑いながら肩を組んできたのは、同じ服飾科に通う安西優。
「それもそうだけど(笑)ｱﾚ。ｸﾗｽ替え楽しそうでﾄﾞｷﾄﾞｷﾜｸﾜｸしたくない?」
あー、と興味なさそうに
「それもそうだけど。ｸﾗｽ変わら ないっていうのもい-じゃん。 楽だし。」
確かに楽なのは間違いない。
「早く教室行こ-」
と、優にせかされ人だかりをあとにし、教室へ向かった。
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