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「何という文明の高さであろう…。
ヤマトの民など、ここの者達からすれば、蛮族でしかない」
トシミツは目を奪われた。
道路は石で補強され、建物も煉瓦を何かで繋ぎ合わせて組み上げられている。
街の人々も彼らを、物珍しそうに眺めていた。
「俺達がよっぽど変なんですね、殿。
かなり目立っているようだ」
「この国は、どのような方が治めているのであろう?
帝か、それとも兄上のような、将軍か…。
キョウやカマクラより騒がしくごちゃごちゃとしているが、閉鎖的ではない。
何というか、豪華だ…」
「殿、あれが帝の御所では?」
カオルが、丘の上に建つ一際壮麗な建物を指差して言った。
「この国の帝に、お会いしてみたい…。
だがこのような異国丸出しの装いで、お会いしていただけるだろうか…」
「どうせ当てのない旅、行ってみてもいいんじゃないですか?」
サブロウの言葉に後押しされ宮殿へ向かった一行だが、モーラ人にはあまりに怪しく思えたのか、ダリア語でまくしたてられて、そのまま通訳達もろとも牢に繋がれてしまったのだった…。
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