……序章……

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「そんなに怪しく見えたのか…。 殿は、国に帰れば官位もある、征夷大将軍の弟君だってのに」 「サブロウ、 国は捨ててきたのだ。 ヤマトでの身分など、忘れてきた。 今はただの浪人だ」 「そうですけど…」 そうこうしているうちに、数人の兵士が彼らを呼びに来た。 面倒だから通訳達を通してのことは省くが、 「出ろ。 陛下がお会いになるそうだ」 この国の統治者に会いたい、とは既に伝えてある。 その統治者が、トシミツ達の話をきいて面白がり、会いたいと言うのだった。 「帝がお会いして下さるそう ですよ、殿。 俺はまた、何のかどかもわからぬまま異国の地で、処刑かと思いましたが」
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