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試合は順調に進み、トシミツ、近衛軍団の長官であるテオドリック、北方の百人隊長であるライラス・コルブリウス、西方の将軍であるゼノ・バルブスが準決勝に残った。
準決勝第一試合は、トシミツ対ライラス。
トシミツは鮮やかにライラスの剣をかわし、右脇腹を薙いで勝負がついた。
次いで、テオドリック対ゼノ・バルブス。
トシミツが思っていたと違う結果だった。
激戦の末、テオドリックが敗れたのだ。
テオドリックの家の庭で何度も木剣を交え、トシミツは決勝をテオドリックと戦うものと信じて疑わなかったのだ。
「殿、テオドリック殿が負けるとは…」
「酔狂のつもりだったが、これで、負けるわけには行かなくなった」
トシミツの顔付きが変わった。
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