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「ふぅん。芝刈ってたら鬼と遭遇して、妖術で猿と合体させられたってわけやな」
「そうじゃ。合体といっても、アッー!な方ではないんじゃよ、勘違いしないでおくれえ」
猿と合体したことにより、お爺さんの人格にも多少の変化が生じているようです。まぁお婆さん程ではないようですが。 (お婆さんは川で洗濯をしていただけです)
「誰もそないなこと聞いとらんわ。しかし、妖術なんて使うんやな鬼の奴…」
どうやら鬼を倒すということは、思ったよりも難しそうです。
しかし、鬼を倒さなければ、お爺さんは一生猿と合体したままなのです。
「チュンチュン、どうするんだってばよ」
すがるような目で見てくる猿爺さん。
楽しげな様子のお婆さん。
そしてシリアスムードな雀としりたろう。
「猿と雀がおるから、後は犬やな。犬見つけたら鬼退治に行こうや」
そう言うとしりたろうは立ち上がって、家の外に出ました。
どうやら一人で、残りの仲間である(予定)犬を探しにいくようです。
そんなしりたろうに慌ててついていく猿爺さんと雀。
みんなの後ろ姿を見ながら、煙草をふかすお婆さんの笑いは、何やらどす黒いオーラを纏っていましたとさ。
めでたしめでたし
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