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そんな八文字で鮮やかに物語を締め括れる訳もなく、当然のごとく展開は犬と出会うシーンにつながるのです。
「わんわんっ!」
手分けして捜索していたしりたろう一行に、突如聞こえてきた犬の鳴き声。
「どっちや、どっちから聞こえてきたんや」
「チュンチュン、あっちだってばよ」
「いや、わしはこっちから聞こえてきた気がするんじゃが……」
手分けして捜していたためか、みんな違う方向から鳴き声が聞こえたようです。
「猿爺さんは歳だからあてにならんのは間違いないな。雀はんは耳があるのか疑問やから、一番わいがまともな聴覚を持っとるはずや!」
そう言ってしりたろうは、自分の信じる道へ全速前進していきました。
すると、なぜか目の前に海が広がる地点まで来てしまったのです。
もちろん物語上、鬼ヶ島に行くために海は必要不可欠ですが、まだ面子が揃っていません。
それなのにご丁寧に、しりたろうの前には船まで設置されているではありませんか。
「これは…何や?もう行けっちゅーことか? いや、最後の仲間の声が聞こえたんやから、それはおかしいやろ……」
一人悩むしりたろうの元に、雀と猿爺さんもようやく追い付いてきました。
「チュンチュン、おいらは行くしかないと思うってばよ」
「うむ、わしも同意見じゃ」
こうしてしりたろう一行は、ついに鬼ヶ島へと出発するのです!
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