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一方、その頃お爺さんはというと……
「何でえ、全然来ねぇから酔いが冷めちまった。つまみ、つまみは……お、こんなとこにチーカマがあるじゃねーの」
酒がなくなってしまったため、一人酒ならぬ一人つまみに入っていました。
そして、戸棚から見つけたチーカマを食べ終えると、そのまま眠ってしまいました。
「あんた~…今帰るからねぇ~…」
すやすやと安らかに眠るお爺さんとは正反対で、お婆さんは上り坂を懸命に歩いています。もちろん、あれを転がしながら。
「痛っ! 痛っ! どちくしょう、わいの声が聞こえへんのやな」
中の人もいっぱいいっぱいみたいです。
そして数十分後……
ようやく小屋に帰って来たお婆さんは、最後の力を振り絞って、運んで来たそれを思っくそ、小屋の入口に向けて蹴飛ばしました。
残念ながら、本作ではカットされ、未公開になったトラブルも多々ありました。
お婆さんが石につまずいて、姿勢が崩れた途端に、あれが勝手に下山を始めたりとか
空から未確認生物がやってきて、道を尋ねてきたりとか
そんな今までの想いをつめて、あれが小屋の入口へ飛び込んでいきます。
明らかに、横幅が限界を越えていることなど、中の人が知るよしもなく……。
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