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「いよし、お前の名前は…しりたろうじゃ!決定!」
お爺さんは頑張って30秒もの間、すっかりハゲかかった頭をフルに回転させ続け、ついに主人公に命名したのです。
「いやいや……何を言うてはるの?」
しかしどうやら主人公は、この名前が気に入らない様子です。
「いい名前じゃないの。あなたにピッタリやわぁ」
お婆さんはお爺さんの考案した"しりたろう"が気に入った様子です。
「何やねんこの夫婦!二人揃ってお尻大好きか!大体これ尻ちゃうねん!桃やっちゅーねん!」
どうやら主人公は、この物語のキーマンとして必要不可欠な、ツッコミ役としていくようです。
「桃?じゃあこれ食べられるんか?」
主人公の台詞を受け、そんなことを聞いておきながらお爺さんは、答えが返ってくる前に、それにかぶりついていました。
「甘っ。おい、ばーさんや!これ無茶苦茶甘い立派な桃じゃあ!」
その言葉を聞いたお婆さんも、即座に桃に駆け寄り、お爺さんと一緒になって貪り始めました。
数分もすると、主人公(成人サイズ)が入っていた大きな桃は、老夫婦によって跡形も無くたいらげられてしまいました。
すっかり言葉を失ってしまった主人公をよそに、満腹になった二人はいそいそと就寝準備に取り掛かります。
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