普通の魔法使い、即ち、泥棒

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「そしてその件だけど、家の方は丁度空き家になったばかりの家を頂けそうだよ。元の家主さんが新しい家を建てたみたいでね。快く譲ってくれるそうだ」 家を譲ってくれるなんてそれまた太っ腹な方がいらっしゃったものだ。 「ただ家具とかは新居の方に運んであるからそれは自分で用意してくれ、とは言っていたけど、それもこの店の物を持っていって構わないよ。」 「いいのですか?」 なんていい人なのか。 いやもういい人なんてもんじゃない。 神。 貴方が神か。 きっと僕は一生この人に頭が上がらないだろう。 「勿論さ。引越し祝いとして遠慮なくもらってくれ」 「ありがとうございます」 「どういたしまして」 いつか必ず恩返しをしよう。 そう決心した。 それに、家を譲ってくれた方にもお礼をしないと。 「おいこーりん、私には何かくれないのか?」 ここで来ました魔理沙さん。 見事な図々しさを披露します。 「別に魔理沙は引越しをしないだろう?遠慮してくれよ」 「遠慮のし過ぎは良くないんだぜ」 「遠慮のしなさ過ぎもどうかと思うけどね」 ごもっともで。
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