普通の魔法使い、即ち、泥棒

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「しかしずっと思ってたんだけどさ、琢磨」 「何?」 「お前ってなんか人間味が無いよな。こう、人形みたいってゆうかさ。表情は変わらないし瞬きはしないし」 「ああ」 そういえばまた忘れていた。 というかそもそも意識して瞬きをしたり表情を変えたりする事自体がおかしいんだ。 いっその事ずっと目を閉じて過ごそうか。 開眼しましたー的な。 とりあえずここは霖之助さんに、魔理沙に説明していなかった部分の説明をお願いすることとしよう。 「感覚が無くなった、ねぇ……」 「何か思う所でもあるのかい?」 「いや、全然」 だろうと思いました。 同じやりとりを僕もしましたもん。 「じゃあそろそろ私は帰るとするぜ」 「ああ、帰るのか。気をつけるんだよ」 「分かってるよ」 立ち上がる魔理沙。 僕と霖之助さんも見送りの為に立ち上がる。 「そうだ琢磨。私の家は魔法の森にあるから今度来るといいぜ」 「時間があれば。じゃあまた」 「おう、またな!」 そう言い残し、魔理沙はドアを開けて暗い外へと出ていった。
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