プロローグ

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そしてさらに驚くべきことに、この僕の気配を感じる感覚(僕はこれを第六感と呼ぶことにした)は時が経つにつれ強くなり、ついには周囲の会話の内容さえも気配で察知することが出来るようになった。 正直、超能力が芽生えたのではと喜んだ事を覚えている。 家族や友人も毎日のように僕の見舞いに来てくれて、聞こえていないと知っているにも関わらず、その日の出来事を話してくれるので非常に嬉しかった。 感極まる余り、思わず泣いてしまって周囲を騒がせてしまった事もまたよく覚えている。 そういえば一度、取材が来たこともあった気がする。 昔テレビで見たことのある寝たきりの人に自分がなったのだと思うと訪れた不思議な感覚。 それに対してまだこんな感覚があったのだと内心で笑みを浮かべたものだった。 そんな風に寝たきりでも意外と幸せだった日々は今は昔。 まるで僕は不幸にならなければいけないのだと言わんばかりにその出来事は訪れた。 もしかしたら病の原因が分かるかも知れないと乗った外国行きの飛行機。 期待する家族と僕。 そしてそれを裏切るかのように飛行機は、 墜落した。
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