常連、香霖堂にて一堂に会す

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「しかし私はてっきり外来人かと思ってたんだけど、まさか外来妖怪だったなんてね」 「元は人間ですけどね」 「別にどっちでもいいわ」 そう言って博麗さんは心底どうでもよさそうな顔でお茶を啜る。 無関心過ぎて少し悲しくなった。 「んじゃあ話の続きだな。その時に見つけたキノコを鍋に入れたんだが一一」 「はいはい、あんたのつまらないキノコ話はいいから。もっと別の話は無いの?」 「霊夢は私の話を最初から聞いていないからそんな事が言えるんだ。もし最初から聞いてたらきっと涙を流して感動するに決まってる。この二人なんて感動のあまりに声も出てなかったぜ」 退屈のあまりに意識が飛んでただけです。 「あっそ」 「つれない反応だな」 再びお茶を啜る二人。 僕もつられてお茶を飲む。 「ところで琢磨あんた能力持ちよね。何の能力?」 一息ついて、今度は僕に話題を振ってきた博麗さん。 時々その腋に意識がいってしまうのは仕方なかろう。 勿論、僕が腋好きだからなんて理由ではない。 「第六感を扱う程度の能力と動かす程度の能力」 「ふーん二つなのね。第六感てのは何、危険察知でも出来る訳?」 「いえ、周囲の状況の把握です」 「ああ、五感ではない新たな感覚っていう意味合いなのね。あんた盲目みたいだし」 「それどころか五感全てが機能してません」 これには流石の博麗さんも驚いたのか、その目を僅かに見開いた。
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