93人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は今、非常に大きな問題に突き当たっている。
普通の人がこれを聞けば思春期の少年特有の悩みだろうと生暖かい視線を送ってくるだろうが、冗談抜きでアイデンティティーやゲシュタルトが崩壊寸前5秒前の危機なのである。
ゲシュタルトが何なのかは知らないし、アイデンティティーを確立しているとも言えないだろうけどそれは考えないとして。
僕を追い詰めているその問題がこちら。
『僕は何なのか』
である。
果たして普通の人間が第六感で周囲の様子を理解出来るのだろうか。
ここ最近身体を動かす練習をしていたのだが、つい先程突然何故かそう考えてしまった僕は見事この壁にぶち当たり、さらに自分が飲まず食わずに睡眠なしでここ数週間を過ごしていることに気が付いて壁がさらに厚くなり、というか人外ルートが確定し。
これがどつぼにはまると言うやつなのだろうか。
何にせよ由々しき事態である。
この問題が解決しなければ僕は……。
僕は……?
……果たして何か困ることがあるだろうか。
考えてみれば戻ってもまともな人間として扱われる気がしない。
家族も逝ってしまい、待つのは友人ぐらいだろうけど、その友人達も、もう僕は既に死んでいる、と思っているに違いない。
それに、このまま森で過ごすのも悪くない。
恐らく食事の心配もないから生きていくのに問題はない。
むしろ人外万歳。
うむ、問題解決。
最初のコメントを投稿しよう!