常連、香霖堂にて一堂に会す

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「五感全部って、あんたそれでよく生活出来るわね」 声の調子も驚いた様子に変わっている。 「第六感が優秀ですので」 最早第六感とは言い難い程に。 「優秀、って言うのとはまた別物じゃない?」 「かもしれませんね」 するともう興味も失せたのか再びお茶を飲む作業へと移った博麗さん。 ここで会話が途切れるのも何だし、次は僕が聞いてみるとしよう。 「博麗さんはどんな能力ですか?」 「霊夢でいいわ。慣れないから敬語もいらない」 「霊夢はどんな能力?」 言い直す。 「私は空を飛ぶ程度の能力よ」 意外と強そうでもない能力だ。 「ちなみに私は魔法を使う程度の能力だ」 「あんたには聞いてないでしょうに」 その通りです。 てか、まんまじゃないですか魔理沙さんや。 「だってさっきから二人でばっか話してるじゃないか。ほら、こーりんだっていじけてる」 「僕は話を聞いてるだけでいいんだが」 霖之助さんを巻き込んでまで話に入りたいのかこの白黒は。 「本当にあんたって奴は……」 「そう誉めるなよ。照れるから」 「安心しなさい。そんなつもりは全くないから」 ばっさりと斬った。 見事に一刀両断である。 「それよりこーりん、お茶のおかわりをくれ」 しかし残念、魔理沙には効果が無い。 「じゃあ私の分もお願い」 「では僕の分も」 二人して便乗。 「琢磨君も遠慮が無くなったよね」 誉めないで下さい、照れちゃいますよ。 なんて心の中で魔理沙の真似をしてみた僕。既に彼女に毒されつつあるのだろうか。
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