幻想入り

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などと一瞬思ったけどそんな簡単に解決するような問題ではなく。 結局解決出来ないまま時は過ぎるのである。 「どう……しよう……か」 とりあえず最近練習中の発声をしてみる。 これがどうにも難しく、どうしても無口キャラのような喋り方になってしまう。 身体を動かす方は筋肉の衰えはどこへやら、といった具合なのだが。 ところで身体を動かしているうちに分かったのだが、どうやら僕の身体を動かすという行為は本当に他人の身体を動かすようなものだったようで。 例えるなら三人称視点3Dアクションゲームと言った所か。 いや、まるで人形師にでもなった気分と表現する方が妥当だろう。 何にせよ、自分の身体を他人の身体であるかのように動かす感覚はどうにも不思議なものである。 まあ要するに第六感以外にも新たな能力があるようで。 言うなれば自分の身体を客観的に動かす能力。 どうにも腑に落ちないが、とりあえずは生存本能が動かない身体を動かそうとした結果だと納得しておこう。 ちなみに呼吸と心臓は意識せずともしっかりと機能しているようで安心した。
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