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「更に師匠は薬師としてもそうですが、医者としても幻想郷一の腕前を誇っているんです!」
まるで凄いでしょうと言わんばかりに自慢気に説明する鈴仙さん。
お師匠様の事をとても慕っているようだ。
しかし、幻想郷の医療技術の水準を僕は知らないからその凄さが分からない。
でも、先程盲目を治せるような事を仄めかしていからかなりの技術を持っているのかも。
下手をすれば外の世界より高い技術力の可能性もある。
それなら僕が幻想郷に来る原因になったとも言える感覚が無くなる病の事も治せるだろうか。
「鈴仙さん。そのお師匠様はどれくらいなら治せますか?」
「そうですね……。死んでさえいなければ大抵の傷や病気は治せると思いますよ」
それが本当なら素直に凄いと思う。
たとえ瀕死であっても死んでなければ大抵は治せるなんて、もし外に居たら日本中、いや、それどころか世界中に衝撃を与える程の技術力ではないだろうか。
これは期待出来そうである。
「いつか診てもらいたいですね」
「やはりその目についてですか?」
「はい、大体そうです」
正確には殆どの感覚についてだけど。
「では今から案内しましょうか?もう帰ろうとしていましたから」
今から、か……。
気になるけど今日はやめておいた方がいいかもしれない。
万が一入院という事にでもなれば折角仕事を始めようとしているのにそれを遅らせる事になる。
それでは余りにも旦那様に申し訳ない。
有り難い申し出ではあるが、これも後日自分で伺うとしよう。
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