初仕事、初給料、初飛行

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仕事は運ぶ荷物の確認から始まる。 食品をメインに多数の雑貨も取り扱うここの店は人気だけあって毎日大量の商品が売れていく。 故に運ぶ荷物の量は膨大。 倉庫は大量の荷物でいっぱいである。 「さて今日から新人君が入ったから仕事の担当を変える。今から変更後の役割を言うから全員しっかりと聞いてくれ」 そう説明するのは荷物運びの仕事の班長であり二人しかいない大人の片方。 昨日番頭に紹介されただけで録に話した事もないから性格は不明だが見た目は細マッチョで格好いい。 もう片方は副長として班長の隣に立ち無言を貫いている。 こちらは横幅広めだがやはりマッチョ。 「まず、雑貨を担当していた者は変更なし、食材の担当も同様だ。紙を確認して仕事を始めてくれ」 その言葉に七人の小僧の内の三人が元気の良い返事をして動き出す。 その中はにいつかの小僧二人の姿もあった。 「そして次だが、米俵や酒樽等の重量のある荷物の担当だった者は副長を含め全員他の荷物に変更だ」 はい? つまり僕が米俵やら酒樽やらの重量のある物を運べと? しかも米俵なんか主食だけあって尋常じゃない量があるんですが。 まあでも、流石に予想外ではあるけど僕になら出来るだろう。 傲慢でも何でもなく事実として。 変更を言い渡された小僧たちも僕なら可能と判断したのか即座に動き出している。 一人を除いて。 「班長!それはいくらなんでも無茶っすよ!その兄ちゃんがどんなに有能だか知りませんけど無理が過ぎる!」 食いついたのは先程の小僧。 しかしそれが正常な反応である。
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