586人が本棚に入れています
本棚に追加
/263ページ
「お嬢様、A定食でございます。」
「あら、ありがとう。」
私が現れた瞬間、お嬢様と話していた生徒が散っていく。
「お嬢様方もご一緒にどうでしょうか?」
思い切って、その生徒に話しかける。
「…え…あ…。」
「困っているじゃないの。それに、クラスメイトに『お嬢様』は変よ?」
「失礼しました。」
「あ、あの…私たちは行きますね。」
お嬢様と話している間に行ってしまった。
「行ってしまったわね。」
にこやかだったお嬢様の顔が無表情に変わる。
「申し訳ございません。」
深く頭を下げる。
「いいから早く座って食べなさい。」
最初のコメントを投稿しよう!