執事の戯言

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「お嬢様、A定食でございます。」 「あら、ありがとう。」 私が現れた瞬間、お嬢様と話していた生徒が散っていく。 「お嬢様方もご一緒にどうでしょうか?」 思い切って、その生徒に話しかける。 「…え…あ…。」 「困っているじゃないの。それに、クラスメイトに『お嬢様』は変よ?」 「失礼しました。」 「あ、あの…私たちは行きますね。」 お嬢様と話している間に行ってしまった。 「行ってしまったわね。」 にこやかだったお嬢様の顔が無表情に変わる。 「申し訳ございません。」 深く頭を下げる。 「いいから早く座って食べなさい。」
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