日常の終わり

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嘘だろ… 俺は思わず声が出た。 まだ俺が小さい赤ん坊の時の映像だ。親父は明るい声で俺に話しかけている。楽しそうに、そして俺も笑顔で親父の手を握っていた。 「あなた昔はお父さんにベッタリだったのよ?」 こんな家族のビデオを俺は見た時が無かったので驚いた。 「親父ってこんなに明るかったの!?」 俺は思わず母親に聞いた。 「そうよ?すっごい面白くて優しくて勇気もあってカッコ良くて涙もろくて…」 突然母親はのろけ始めた。意外だった。母親はてっきり親父には興味を無くしていたと思っていた。母親はひたすら親父を褒めていた。
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