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「幼なじみ…?」
「そうよ。腐れ縁のね。」
幼なじみ。
この言葉が頭の中でリピートされる。
「あら。もうこんな時間。空。結愛ちゃんを送っていってあげて。」
そう言われてはっとした。
外はオレンジ一色。
「いや、大丈夫ですよ?すぐそこなので。」
「ダメよ。女の子なんだから危ないわ。結愛ちゃんまた明日ね。」
結局勢いに押されて病室から出されてしまった。
しばらくの沈黙。
「結愛は、何号室?」
「503号室です。」
「そう。」
そう言って彼はゆっくり歩き出した。
私は彼の後ろを歩いていく。
でも、ついた場所は休憩室。
「あの…病室に行くんじゃ…。」
「飲み物何にする?」
「えっ…えっと…。」
「10…9…8…7…6…」
「えっ?じゃっじゃあココアで!」
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