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「あっケーキ有るけど…食べる…?」
「食べる!!」
昨日作って冷蔵庫に入れて置いたのを思い出した。
甘党の彼に“美味しい”と言って貰えるかは、分からないけど…。
聞いた瞬間、目をキラキラさせていただけに、不味かった時の反応が怖い。
再びキッチンに行きケーキを1つお皿に入れて彼に出す。
「ガトーショコラだね。美味しそう。頂きます。」
“パクッ”。一口食べて、黙り込む。
どうしょう…不味かったかな?
そして、また一口。
「美味しい…。凄い美味しい!結愛プロ並みだね。」
「良かった~。」
安心してつい、へなへなとソファーに座り込む。
黙り込んだから不味かったかと思った。
“美味しい”って言って貰えて本当に良かった…。
「結愛も食べる?」
「え?いや…私は…。」
「だって、俺だけずるいじゃん。」
「いや…だいじょ…」
「あーん。」
…………。
いや…作ったの私だし…。
私は、美味しいって言って貰えたら満足だし…。
「ほ・ら!あーん。」
「……………。」
「結愛。………あ~ん。」
“パクッ”と食べた瞬間。ほろ苦くて甘い味が口の中に広がった。
「美味しい…。」
“でしょ?”と彼は、可愛く微笑んだ。
最後のは反則だと思う。
だって…。名前呼んで、あ~ん。って…。
しかも、めちゃくちゃエロボイス。
まだ心臓がドキドキしてる。
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