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「目…開けていいよ。」
そう彼に言われ、目を開ける。
そこは、いつも窓から見ているベンチがある広場だった。
「ワースゴイネ」
「ははっ。また棒読み何だけど…。」
などと言いながら彼はクスクスと笑う。
「だって…。」
目を閉じた瞬間。
ふわっと身体が浮き、彼にお姫様抱っこされているんだと分かった。
ドキドキして…。
心臓が壊れるかと思った。
そして、しばらくしたら目を開けていいと言われ、開けたらここにいた。
目を閉じていた時間は、約5分。
そりゃ棒読みにもなりますよ。
「さぁっ。行こうか?」
「え?」
そう言って彼は、手を差し出した。
「まだここは、病院の敷地内だよ。」
私は、少し戸惑いながら彼が差し出した手に自分の手を重ねた。
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