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「ねぇねぇ、茉莉菜ちゃん!まだ来ないの?いつ来るの?」
「まだ今9時よ?結愛ちゃん興奮しすぎ。お昼過ぎぐらいには来るって言ってたわよ。」
ここは、都立国際世田谷病院。私はここの南棟5階に入院している。そして、その階のナースステーションでお喋り中。
茉莉菜ちゃんこと、瀬戸内茉莉菜(せとうち まりな)は、私が小さい頃からいる看護士さんで私の良き理解者でありお姉ちゃん的存在。
「ねぇねぇ、女の子?男の子?」
「女の子よ。ついでに結愛ちゃんの一つ上の子よ。」
「ほんと!?じゃあ先輩だー。あぁ~楽しみ。友達になれるかな?」
「大丈夫よ。結愛ちゃんなら。」
“ね?”っとウインクつきで言う茉莉菜ちゃんは、実に可愛らしく女の私からしても見とれてしまう。とても30歳には見えない。
“ピーピピピ”
いきなりナースコールが鳴り始めた。しばらくすると遠くから“瀬戸内さんお願いしていい?”っと看護主任さんが言い茉莉菜ちゃんは行ってしまった。
まだ9時30分か…
暇だから部屋に戻ろうかな。
私はまた独りの殺風景の部屋に戻ることにした。
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