涙色の深淵

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ほろり ひらり 透明な感情が 頬に描いた放物線 落ちる雫は 花弁のように 静かな水面に 波紋をうつした ほの明るいその深淵 水面埋める数多の花弁 むせかえる花の残り香に 誘われゆらり黒揚羽 降り続ける悲しみの花弁に 燐粉舞い上げ闇に溶けた 両の手のひら差し出して 幾枚の花弁胸に抱く 誰かの悲しみ想いながら そのままごくり飲み干した もう なかないで かなしみは ぜんぶ ぜんぶ ぼくが たべてあげるから
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