哀しみ

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すると哲志くんは、私が右手を痛そうにしていたのを見て、心配そうに話しかけてきた。 「大丈夫か霊夢?」 「ハハ、大丈夫だよ哲志くん。多分良くるはずだから大丈夫だよ」 心配させない為に気を使った。 哲志君は私が話に納得してくたれたみたいだった。 「なら良いんだけど……。ちょっと心配だから右手見せてくれないかな?」 「うん」 私は疑問に思いながら右手を哲志くんに見せた。 するといきなり哲志は私の右手を両手で持った。 「ちょっと手が赤いかもしれいよ?」 「う、うん……」 (ど、どっ、どうしよう私。今哲志くんが私の右手を持っているよぉ……) 私は予想外の事に対して軽くパニックに、しかも嬉しいことに哲志君が右手をマッサージしてくれた。 「どうかな?痛くない?」 「うん。ありがとう哲志くん。なんかマッサージしてくれたおかげで手が軽くなったよ」 私は笑顔でお礼の言葉を言った。 哲志くんは微笑んだ。 私はふと隣をみて驚く事が起きていた。 横では三奈ちゃんと都ちゃんの勉強が大変なことになっていた。 「都子さん。そこは違いますわよ。1+2=3ですわよ」 「え?その問題の答えって12じゃないの!?」 (都ちゃん……。どうしたらそんな数字になっちゃうの?) つい心の中で思ってしまう。 「都子さんはこの問題をとく以前に間違いを犯してますわよ!?」 流石に三奈ちゃんも呆れ気味の様子のようだ。 「いや~ニャハハハハハ」 (都ちゃん。笑って誤魔化さないの!) 「笑ってごまかさないでくださいまし!」 (そうなるからね?) しばらくあれこれと三奈ちゃんと都ちゃんの話は続いていた。 その間私は哲志くんに問題集を手伝ってもらった。 哲志くんのおかげでかなりはかどって良かったと私は思い、哲志くんにお礼を言った。
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