哀しみ

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「ありがとう。哲志くん」 私は感謝の気持ちでお礼を言う。 哲志くんはちょっと照れくさそうな顔で-- 「うん……。あんまり教える事が出来なかったけど、霊夢が喜んでくれたなら安心したよハハハ」 「そうだよねフフフ」 自然にお互いに笑う。 (本当に田舎生活は、楽しい毎日だなフフ) そう私は笑みをこぼしながら思う。 横では都ちゃんと三奈ちゃんのパーフェクト算数教室がようやく幕を閉じ、終わった。 「終わった……」 都ちゃんはかなり疲れている様子みたいだ。 しかも何故か、頬にクレーターみたいなくぼみがあった。 「え!?何があったの都ちゃん!」 すると都ちゃんは力を振り絞って答えてくれた。 「三奈に搾り取られたよ……」 「何を搾り取られたの……?」 「おじ様の愛あふれる気力を搾り取られたの……」 (三奈ちゃんは都ちゃんに何をしたの……?) そう思いながら今度は三奈の様子を見た。 こちらも都ちゃんと同様に机にうつぶせて倒れていた。 私は三奈ちゃんが凄い心配だった。 「三奈ちゃん大丈夫?」 すると三奈ちゃんは唐突に私には理解出来ない事を言い出してきた。 「せ、戦争ですわ霊夢さん……」 私はそれを聞いた瞬間、疑問に思う。 「戦争って、どんな戦争していたの三奈ちゃん?」 すると三奈ちゃんは精一杯の声で私に答えてくれた。 「べ、勉強という名の戦争ですわ……」 そして三奈ちゃんは、またうつ伏せになり気絶してしまった。 それを見た哲志くんは、大慌てで三奈ちゃん抱えて、保健室に連れて行った。 都ちゃんは相変わらず机に頭で体を支えながら気絶している。 (2人の様子が痛々し過ぎるよ……) そう私は心が痛む思いを持っていた。
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