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いきなりの大声にびっくりした猫は、全身の毛を逆立てて窓から逃げる様に出て行った。
「きゃっ!!あっ、サラごめん…。」
慌てて起き上がりながら、猫に向かって呟いた。
「うわっと!!……大変。寝坊した……。」
床に置いてあった木箱につまずいた。
カーテンを思いっ切り開く。
朝の気温は少し冷えるが、朝日の暖かさと微風が心地良かった。
窓から、厩の近くで馬の毛並みの手入れをしている人影を見つけた。
その人影がおばさんでない事を確認して声をかけた。
「おはよう。ペルンおじさん。ガーナもお早う。」
挨拶を返す様にペルンは片手を軽く挙げ、ガーナはブルッとつややかな赤茶の体を震わせた。
「今朝は起きれなくてごめんなさい。
おばさんはもう行ったかしら?」
「たぶんもうすぐ帰って来るよ。
その前に朝食を済ませておきなさい。
今朝羊の乳でシチューとチーズを作って置いたから。」
「うわぁ!!ありがとう!!」
すぐに窓から離れて、着替えを済ませた。
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