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「あんな真剣に話す爺、久しぶりに見たな…極秘依頼…か」
そう呟きながらシークは、徐々に明るくなっていく空を見ながら大きく伸びをした。
「うー…まだ結構は時間有るし、隣町なら近いし…一旦帰って一眠りするか…」
そう言って家路に着こうとしたシークだったが、一歩踏み出した瞬間、シークの腹の虫が大きく鳴いた。
「…そう言えば昨日の夕方から何にも食ってないな」
そう言ってシークは空腹感でいっぱいの腹を力無くさすりながら、まずは朝食か、と呟いて再び歩き出した。
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ミズレイドから5キロほど東に行った所に在る宿場町、モルガン。
シークがその街に着いたのは、太陽が真上に昇り切った後だった。
馬に乗って宿場街を駆け抜け、リンツィーと言う名の店を必死の形相で探していた。
「俺としたことが…クソ!リンツィーってどの店だ!?」
そう、彼はしっかりと寝坊をしたのだった。
ほんの仮眠のつもりが目覚めてみれば時刻は既に11時過ぎ。
支度を済ませ、町まで移動をし、店を探すのに掛かる時間を考えれば、間に合うか、間に合わないかギリギリの時間。
そしてこの時、時刻は既に12時50分。
シークは店を探しながら、アーガイルにくれぐれも遅れるなと念を押されたのを思い出す。
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