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「じゃあ、まずは奥の隅で一人で座ってる不気味な野郎」
そう言ってダンが指差したのは黒い長髪をダラリと垂らし、黒いローブ、そして傍らには飾り気の無い長くこれまた黒いシンプルな槍。
「アレがギルド“Southern Cross(サザンクロス)”代表の、“死の大鴉”レイ・ピング。闇の戦闘魔法に長けてて、古式魔戦術も使えるって噂の若手魔導師。年齢は不明だが見た感じだと20代後半って所だな。んで次はあそこの階段に座ってる派手で変な服の女」
そう言って続いて指したのは階段に腰掛け、和服に似た露出の多い衣服を身に纏うショートカットの女性。身の丈は有る細身の刀を抱きしめる様に持っていた。
「この町のギルド“麗燕妃(れいえんき)”の代表、“朱血塗りのカレン”こと、カレン・ツキヨミ。引き受ける仕事は盗賊や山賊の討伐。あとは賞金稼ぎ紛いの仕事ばっかり引き受ける、かなりヤバめの女」
そうダンが言った直後、二人の会話は聞こえて無い筈のカレンがチラリと横目で二人を睨み、妖しくニコリと微笑んだ。
その様子に思わずダンは身震いを催し、シーク背筋に悪寒を感じた。
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