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青年は咄嗟にジャンプし、その突進を難無く避けた。
すると壁に突っ込むかに思われたゴーレムは、壁を蹴って飛び上がり、宙を舞う青年に食らいつこうとした。
「っ!意外に身軽だ…なっと!」
そう言いながら青年は、懐から鉤縄を取り出すと、鉤を投げつけて壁に引っ掛け、鉤の尻に付いた縄を引っ張って空中を移動し、何とかゴーレムの牙から逃れた。
そして青年が地面に着地すると同時に、少し離れた所でゴーレムも着地し、青年に向き直った。
「ふぅ…爆炎付加の魔術弓じゃあ無理か。…なら…」
と青年はブツブツ呟きながら弓をしまうと、腰に差してあった短剣を抜いて身構えた。
それと同時に、ゴーレムは再び青年に向かって行き、青年に食らいつこうと飛び掛かった。
すると青年は寸前で屈んでそれを回避し、ゴーレムの体にその短剣を突き刺した。
そして青年はゴーレムから距離を置き、ゴーレムの方を向き直ると詠唱を始めた。
「…凍てつく風は汝に与えし英霊の贓物…凍えろ、“零々刃”」
そう青年が言った瞬間、彼の刺した短剣の辺りからゴーレムの体が凍り付き、すぐにゴーレムの全身は氷で覆われ、ゴーレムの動きは完全に封じ込められた。
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