Story.1-依頼-

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―神代の世界 まだ世界が一つで無かった時代。 世界で最も大きな大陸,ヴァイタロス大陸の最西端にある国、ヴェストランド共和国。 その国の南西部にある街、ミズレイド。 その街に、そのギルドはあった。 ―ギルド それは、何でも屋を生業とする魔導師達が集う同業者組合の事を言い、それはこのミズレイドを始め、国の各地にギルドは存在する。 そしてここはミズレイドに在るギルド、“信条無き聖者達(NotCreedSaint)”。通称、不信心者達。 仕事を終えたシーク・ウィザースプーンがこのギルドに仕事の報告をしに戻って来たのは夜になってからだった。 「ウーッス…ただいま」 疲れきった声で挨拶をしながら、シークは扉を開けた。 もう夜と言うこともあり、いつもは賑やかなギルドの中は少し静まり返っていた。 「おかえりシーク。辺境まで大変だったでしょ?今コーヒー淹れるわ」 そう言ってカウンターから優しく彼を出迎えたのは、このギルドの受付嬢をしているアイナだった。 アイナはその長く、赤い髪を後ろで括ると、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる準備を始めた。 「ああ、悪いなアイナ」 そう言ってシークはカウンターに腰掛け、コーヒーが出来るのを待った。
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