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「う……そ……これって…」
梅ボアと黒狼の集まっている一点に赤と緑の魔法陣が同時に現れる。
更に殆ど間を開けずに地中からマグマの様に煮えたぎった溶岩流が魔物の群れを余すことなく呑み込んでゆく。
「話に聞いたことある……ラーヴァフロウ……確か2次職以降に取得できる…それもかなり高位の魔法……」
「ω・)むふ~♪」
あっという間に魔物の群れを一掃した、たまと名乗る女性の魔法だった。
その場にへたりこむ少女。魔法の効果が切れると辺りには耳が痛くなるほどの静寂が訪れる。
「あの……さ………貴女何者?…」
ここまで高位の魔法を易々と使える人物はそうそういない。一生をそれの修得に費やしても使えない人はごまんといる。
勿論ファーイーストにいるはずもない。
「そんな凄い魔法使えるならさっさと使ってくれれば良かったのに……って………ぉ~ぃ…」
「………」
返事がない、ただの(ry
「まぃっか……フフッ…………さぁってと……ご飯に布団ですね…」
微かに聞こえてくる寝息にすっかり毒気を抜かれてしまった少女は立ち上がると森の出口へ向け歩き出す。
「むにゃ……ふぁいあ~…」
物凄く小さな火の玉が木の枝に止まってお昼寝していたコッカトリスという黒い鳥に当たる。
「……………ピィ…」
そりゃそうだろう。安眠を妨害されたら私だって不機嫌になる。
「ちょっ!おまっ!ふざけろし!わざとでしょ!絶対にわざとでしょ!!」
再び走る事になった少女だった。
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