act2 連れてけ

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「だいこん?」 透き通ってはいないが滑らかな曲線を描く白い肌、艶のある緑色の髪、短い手足をパタパタと愛嬌たっぷりだ。 「そーよだいこんよ!大体初登場のキャラのくせに容姿の説明ないとか無法者にもほどがあんのよ!!」 「きゅきゅっ!!きゅうきゅうっ!きゅきゅ~っっ!!」 「ほら!激しく同感だってきゅうちゃんも言ってるじゃない!」 どうやらファーマーという人種はだいこんの言葉が理解できるらしい。 「それは……あっちに言って欲しい…」 キョロキョロと左右を見渡してから、なんとなく天井を見上げ指を指し示すたま。 「あっちってどっちよ!悪いけど貴方の頭上には築50年の古びた天井しかないわよ!」 「……………………………………………………………………ふっる…」 口をぽか~んとさせ大袈裟に驚いた表情のままたっぷり10秒は間を開けてボソッと呟く。 「きゅう………」 「きゅうちゃん同感だって………よしよし………」 「きゅんっ!!」 たまが髪?の付け根をなでなでするときゅうちゃんがたまに擦り寄る。 「ちょっと!きゅうちゃん!どっちの味方なわけ!!」 「きゅきゅう?きゅっきゅっ!きゅきゅきゅ~!!」 「はぁ?たまが容姿の説明出来ないのは私がいちいち突っ込むからだって!?…………………」 どうやらぐぅの音も出ないみたいだ。先程の威勢はどこへやら、黙って木造の椅子に座る。 本当にどうでもいいが、ここファーイーストの家は釘から何から全て木作りである。
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