act2 連れてけ

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「ね、ところでさ、なんであんなとこにいたの?はっきり言ってあの森の中の入り口付近ならともかく、奥に用がある人なんかいるとは思えないんだけど……しかもあの時は気づかなかったけど、洋服ズタボロだし…」 クルの言う通り、たまが着ていた洋服はボロボロで、 「ちょっと転んじゃった♪てへぺろっ♪」 とはお世辞にも言えない有り様だった。 「野良犬に咬まれた……てへぺろっ」 「………ま、まぁいいわ。そういうことにしときましょう」 初めからまともな返事は期待してなかったクルだったりした。 「しっかし……服はボロボロ、無一文なのに魔法は超一級どころか神クラス……ほんと何者?」 喋りながらもクルの手は動いていた。 彼女はファーマー。料理に裁縫、はてはお庭の手入れなんかもこなしちゃう、いわゆる《良いお嫁さん候補》なのである。 チクチクと破れたたまの服の補修をしていた。 「むほ~もの?」 彼女は巫女さん。魔法に魔法、はては魔法なんかもこなしちゃういわゆる《やりたい放題なお姉さん候補》なのである。 …………… ………ちなみに言っておくが、断じて私的な思惑は含まれていない事をここに書き加えておく。
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