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(落ち着くのよクル……突っ込んだら負けよ…)
「ふ、ふ~ん……それで?これからどうするの?…」
優雅に紅茶を啜りながらたまが答える。
「……わからない…」
窓から射し込む朝日が見事な金髪に反射してキラキラと輝く。
「ふ~ん………………………………………は?分からないの?」
「うん」
ドミニオン特有の形をした翼をパタパタさせつつ窓の外をぼーっと眺めるたま。
(ひょっとして………とんでもないのを拾っちゃった?………)
「え~っと……お家は……何処かなぁ?」
「……さぁ…」
「………お父さんとお母さんは…………いるのかなぁ?」
「………生きてるならドミニオン界にいると思う…」
「………そっか…」
詳細は不明だがドミニオン界では絶え間無い戦争が続いているらしい。
らしいというのには理由がある。
戦っている相手が不明なのがその最たる理由だ。
正体不明というのが正しい表現だ。
いつから戦争をしているのか、何故始まったのか、また何が目的なのか、その全てが未だに謎のままなのだ。
ただ一つ確かな事は彼等はドミニオンを敵と見なしている事、この一点だけである。
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