act2 連れてけ

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「……泣いてるの?」 「なわけないでしょ………」 嘘なのが丸分かりだった。大粒の涙が今にも零れ落ちそうになっているのだから。 唇をギュッと噛んで必死にそれを耐えるクル。 「ふ~ん………」 相変わらず頬杖しながらクルを見続けるたま。 「今度はなんだべ!森をあんなにした後はおら達の仕事を奪う気だべか!?」 「それはっ!私じゃ!……」 「おんなじだべ!情け心で置いやってる恩を忘れて、とんだ疫病神だべ!!」 「んだんだ!」 「ッッ!!」 クルに突き刺さる心無い言葉の刃。再びうつ向いてしまうと両手を固く握り締める。 「…………なさい…」 か細い声。 「ごめん……なさい…」 飛び交う罵声の中、消え入りそうな声で頭を下げるクルだった。 「……ぁ…」 下から覗き込んでいたたまに冷たい何かが降ってくる。
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