~プロローグ~

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「え~っとえ~っと………ヒルポヒルポ…よし……10個ある」 エプロンの前掛けをゴソゴソして回復剤のストックを確認する少女。 ちなみにヒルポとは「ヒールポーション」。要するに体力を回復してくれる大変ありがたい飲み物なのだ。 一般人はもちろん、駆け出しの冒険初心者にとっても必需品といえよう。 「森の出口まで後ちょっと……頑張れ私…うん!」 そうこうしてる間に遠吠えの主はすぐ近くまで来たようだ。獲物を狙う獰猛な唸り声がはっきりと少女の耳に入ってくる。 両手に握りこぶしを作って気合いをいれると再び駆け出す少女だった。 「あぁ………通りすがりの記憶を失った伝説の勇者様とか、お節介が大好きなイケメンの中学二年生とかいないかなぁ……………」 若干現実から逃避した発言を口にしながらも走る走る。
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