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「パーティー、巷ではPTというものがあって各々が得意とする分野で戦闘に貢献する。なんとも私にぴったりな制度ではありませんか!」
それもその筈。ユースウェルはウァテスだから。聖なる力をその身に宿し、傷ついた者を慈愛の力で癒す。アクロニア大陸において唯一回復を専門とする職業なのだ。
だがそれ故に、戦闘においては殆ど役には立たない。彼女は共に戦う仲間がいてこそ、その真価を発揮する。
「待てユースや!私を捨てるのか?」
今にも出ていきそうなユースウェルにとうとう泣き落としを敢行するクロフト卿。
「………フゥ」
立ち止まるユースウェル(着ぐるみの)は溜め息をつくと頭のかぶりものを脱ぐ。
髪をかきあげるとクロフト卿を見るユースウェル。
(大人しくしていれば美女なのにのぅ…)
親馬鹿ここに極まる。
「お父様……」
大人げなく泣いていたクロフト卿の涙を優しく拭うユースウェル。
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