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~2時間後~
「大量大量♪こんだけあればクエ15回分はあるわね♪アンタもやればできるじゃない」
「ふふん♪見直したか?」
「全然♪♪」
「仲良いんですね~」
「「全然」」
山の様に毛皮を抱えて、ホクホク顔で廃炭鉱の入り口に戻ってきた一行。
どうやってくま~から毛皮を入手したのかは敢えて伏せておこう。
ポロっとアイコ……などでは決してない。剥ぎ取るといったグロテスクな手法でもない。気がついたらそこにあるものなのである。
「でもこれじゃあ重くて運ぶの大変かなぁ」
さらたんが山と積まれた毛皮を前に思案する。
「ぁ、そうだ。庭で帰ろう」
そういうと腰につけたヒップバッグをゴソゴソし始めるさらたん。
「庭持ってるんですか?」
少々驚いた顔のユースウェル。
《庭》
飛空庭と呼ばれるそれは文字通り空に浮かぶ庭である。
作るのに膨大な時間と労力を要する今は失われた技術の一つで作られる空飛ぶ庭である。
ユースウェルが驚いたのも無理はない。冒険者の中でも庭持ちはそう多くはないのだ。
(流石はアクロポリスを拠点にしてる冒険者です…)
「あぁ……まぁ、これはその……厳密には私のじゃなくって……お姉ちゃんの…」
苦笑いして青い棒の様な物を取り出すとスイッチを押すさらたん。
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