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「一人づつなのでユースウェルさんどうぞ~」
「は……はい」
おずおずと足を引っ掛けしっかりとロープに掴まるユースウェル。
「上に行ったら入口があるんでそのまま上に上がっちゃってくださ~い」
「は、は~い」
言ってる間にもロープがスルスルと巻き取られてゆく。
「高い……高いです」
ガクガクブルブルと震えるユースウェル。実は高い所はあまり、というか好きじゃない。
景色を楽しむ余裕もなくロープはどんどん高度を上げてゆく。
「……?、着いた?」
目を瞑ったままだったユースウェルはいつの間にか動きを止めていたロープに気がついてそ~っと目を開ける。
滑車に巻き取られたロープの目の前には丁度人一人が足を乗せられる板張りのスペースがあった。
慎重に、ゆっくりとそこに降り立つユースウェル。
その更に奥にはやはり人一人が乗り込めるエレベーターがあった。
「うぅ~~~……」
実は狭い所もあまり、というか苦手なユースウェルだったが既にロープは次の人を運ぶ為に下降中。
このままここにいては空で渋滞を引き起こしてしまう。
ままよとばかりに中に飛び乗るユースウェルだった。
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