act3 ヒーリングプリンセス?

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「はい。とっても可愛いです、この猫ちゃん達♪」 「みぃちゃんおいで。その子達はネコマタっていうんですよ」 たった一匹だけユースウェルに近寄らなかった緑色のネコマタの頭を撫でつつ少女が答える。 「ネコマタ?」 「この子達との出会いには聞くも涙、語るも涙のそれはもう一冊の本ができちゃうくらいの……ぁ、って言っても実際には私のお姉ちゃんが、なんですけどね」 少し舌を出しながら少女が恥ずかしそうに訂正する。 「へぇ~~」 「さ、行きましょ。いざ、魅惑と無限の可能性の街、アクロポリスへ!」 そう言うと少女は後ろを向き、何やら轆轤(ろくろ)の真ん中にあったパネルをポチポチといじくりだした。 「天候よ~し、進路よ~し、こないだはマナー知らずの庭にぶつけられそうになったから慎重にいかないと……ったく、自分の事しか考えない人ってさいて~よね……」 ブツブツ呟きながらなおもポチポチしていく。
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