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～アクロポリスシティ某所～
「ん～～～……うん、良い天気」
爽やかな朝に相応しい鈴の鳴るような美声と共に玄関先で軽く伸びをする女性がいた。
女性の言う通り本日は快晴。雲一つ見当たらない。
「さて、仕事の前にお散歩でも行こうかな」
ちょっと早く起きてしまったようだ。軽い足取りで街中を歩き出す。
「今日のイベントはなんだっけ…」
「本日は地下のダウンタウンで毎月恒例の参加型オークションを開催しま～す！皆さんルールを守って楽しい時間を過ごしましょう！」
街角では何人かがグループになってなにやらビラを配っていた。歩きながらそれを受け取る女性。
「ぁ、そういえばオークションやるって掲示板にあったなぁ。後で覗いてみよ」
活気に溢れる商店街を軽快に進んでゆく。
此処アクロポリスシティは大陸一の巨大都市。２層で構築される街は他のどの都市にもない特色がある。
上層はアップタウン、下層はダウンタウンと呼ばれ、ご多分にもれず貧富の格差が存在している。
が、だからといってダウンタウンの治安が悪いかというとそうでもない。
大陸唯一の大都市故か各々に役割があり、仕事も潤沢にある。
上層では宝石や洋服、下層では武器防具の作成など互いの領分をわきまえ住み分けているので、トラブルらしいトラブルは起こった事は無い。
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