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「ラピスちゃ~ん。デートしてくれよぉ~~」
「また貴方ですか?キチンと働いて喧嘩も止めて浪費癖を無くして目やにを取って髪もちゃんと洗って服装を整えてからにしてくださいね」
つまり脈なし。
「orz……」
言葉通りの体勢で撃沈する若い男だった。
道行く人々に次々に話し掛けられながらもラピスは歩いてゆくとふと人通りの無い一角に行き当たる。
その時、物陰から7人程の屈強な男が飛び出して来てラピスを取り囲む。
「…………はぁ…」
深く溜め息をつくラピス。
良くも悪くも人気者なのだ。
「昨日はよくもやってくれたなラピス!」
その中のリーダーだろうか、一際体格の良い男が一歩前に出る。
(死亡フラグ成立ですよ……)
「よくもって……貴方達が勝手に倒れたんじゃないですか」
華奢な身体ながらも少しも怯えた様子のないラピス。
「うっせぇっ!!今日こそはなぁ、お前を倒してあんな事やこんな事をだなぁ………」
「………」
「な、なんだよその憐れなもんを見るみたいな冷めた目は!!」
「私、そういうの嫌いなんです」
やれやれと首を振ると無視して去ろうとする。
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