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「待てやゴルァッッッ!」
一直線にラピスの背後から襲いかかるリーダー。ラピスの背に手がかかりそうだったが、次の瞬間何故か自分の視点が上下逆さまになる。
「あん?ギャッ!!」
頭から石畳にキスをしていた。
「風の精霊さんが怒ってますよ?」
ラピスの周りだけに柔らかな風が吹いていた。
「ちっくしょ………かかれぇぇっっ!!」
一斉にラピスに向かい駆け出すゴロツキ達。
「ぅんもぅ……」
後ろを振り返ると軽く頭を振って髪をかきあげる。
その瞬間………
「ンギャ!」
「ピィッ!!」
「おぶっ!!」
リーダーと同じ運命を辿る事になった。
「だから言ったのに………怒ってますよ……って」
意思でも持つかの様に風が男達を地面に転がす。立ち上がろうとすれば足を引っ掛け、起き上がろうとすれば上から押し潰す。
「それじゃ、ごきげんよう………みんな、ありがとね」
何も無い空に向かいウィンクすると今まで男達を襲っていた風が急に無くなり、ラピスの周りをグルグルと笑うように回るとかき消すように消えていった。後には穏やかな朝日が降り注ぐ。
その光を受けて胸元のネックレスが青く光る。
彼女は良くも悪くも人気者なのだ。
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