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「相変わらず容赦ないね……」
路地裏を抜け再び繁華街に入った所で建ち並ぶ露天の一つ、果物を売っている商店の布張りの屋根の上から声がかかる。
「私はなにも?精霊さんが助けてくれただけですよ♪」
声の方には向かずスタスタ歩くラピス。
「だね。定時報告、現状に変化無し、引き続き調査を進める」
「ん、了解。クロもたまには休んでね」
「命令なら従う」
「じゃぁ命令です。たまには休みなさい。ほらファーイーストの誰でしたっけ………ク…」
「拒否」
「もぉ………」
「そろそろ行くね。あ、それから……」
「ら?」
「寝癖は直した方がいいよ………じゃ」
「ぇ?………」
慌て頭に手をやりチェックを始めるラピス。クロの言う通り右側の髪の毛の一部がピョコンと出ていた。
「あぅぅぅ………恥ずかしぃぃ………なんで始めに言ってくれないかなぁクロは!」
顔を赤くしながら声のしていた方角に向くも既に声の主は退却した後だった。
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