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「こるぁああああっっ!!!無駄に買い食いすなっ!路頭に迷ったらってもう迷ってんのよあんたわっ!路頭にっ!」
「ぉいし~~~♪♪」
「ん??………」
(どっかで聞いたような……)
雑踏の中、ふと聞こえた掛け合いが耳に入ったラピスは目を凝らす。
だがその主はもう人混みに紛れてしまって見えなかった。
「まいいか……と、お仕事お仕事」
ラピスは歩いてゆく。
目指すはギルド本部。ここアクロポリスシティ最大の建築物であり、数多あるギルドの統括を一手に担うアクロポリスの心臓部である。
相変わらず道行く人々に話し掛けられながらもラピスは進む。
「あぁ~もぅ駄目だ。明日からは巨麦粉と色つきゼリコの日々が続くんだぁ。なんで2等が出た時点で止めなかったんだ私……あぁ無意識にクリックしてしまうこの手が怨めしいぃぃ……」
「いょしっ!高めだから売れないと思ったけどくじ品が売れたぜ!今日はジューシーな肉が食えるなっ!!」
この雑踏の中を歩くのがラピスは好きだった。悲喜こもごも、色々な人生模様が垣間見えるからだ。
「ん、今日もアクロポリスは平和です、まる……っとぉ♪」
腰の後ろで手を繋ぎご機嫌で歩くラピスだった。
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